今、製造業の設計・開発現場が直面している課題とは?
自動運転、CASE、5G、IoT、AI、深層学習など最先端の技術トレンドを把握するとともに、SDGsなど社会問題からくる要請に応えるために、製品やサービスが満たすべき要件はますます複雑になってきています。一方で、製品開発のサイクルは短くなり、短期間でかつ効率的に新製品の開発を行うことが求められています。
従来の開発手法では、複雑化、短納期化の要求に応えることが困難になってきており、それを打破するために新しい開発手法が模索されています。
その一つが「MBSE」による開発です。
今なぜMBSEが注目を浴びているのか?
MBSE(Model-Based Systems Engineering)は元々米国の航空・宇宙など極めて複雑でかつ大規模なシステム開発を効率よく開発するために生み出された開発手法です。
これを使うことで、システムの要求分析から始まり、性能や機能設計、詳細設計などを関連づけて行えるだけでなく、設計した仕様に対する検証から製品化の後工程となる保守・運用に至るまでを、統一的に管理することが可能となります。
MBSEの要は、SysMLと呼ばれるモデリング言語用いて作成される記述モデルです。この記述モデルを利用することにより、右図に示す様々な効果がもたらされます。
MBSEがまだ普及していないのは何故か?
設計開発に様々なメリットをもたらすと思われるMBSEですが、なぜ多くの企業でまだ普及していないのでしょうか?
そこにはいくつかの理由が考えられます。
理由その1:「理論は学んだが、実務に適用できていない」
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MBSEの理論を学んでも、実際の課題にどのように適用するかとなると、手が止まってしまうという声をよく聞きます。課題を分析し、適度な粒度に分解し、モデルに当てはめる作業は理論を学んだだけではなかなか上手くいきません。そこには、MBSEの理論を学ぶだけでなく、実践経験によるノウハウの蓄積が必要です。
理由その2:「SysMLによる記述モデルの構築が難しい」
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MBSEを実践適用する際の大きな障壁となるのが、SysMLによるモデリング技術の習得です。SysMLモデリングツールの操作方法習得だけでなく、課題ごとに最も適するモデル構造を考案するノウハウの習得に障壁があります。
理由その3:「蓄積した既存データとの連携が難しい」
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これまで実験やシミュレーションなどで蓄えた膨大なデータは設計する際には欠かせません。一方SysMLで作成した記述モデルと計算モデルの間にはギャップがあります。
理由その4:「実務を行う設計者への展開が難しい」
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SysMLを使って課題の整理ができ、モデル化が出来たとしても、習得までのコストや、それを取り扱うツールのコストを考えると、実務開発・設計者の所まで記述モデルを展開することができません。
サイバネットMBSEならば
サイバネットMBSEではお客様の状況に応じ、ステップ・バイ・ステップで実務展開までのお手伝いを致します。
STEP-0 「手法の理解およびテーマ決め」
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まずはお客様のコアメンバの方からお話をうかがい、「課題と思われていることは何か?」「現状の対処方法は?」「利用可能なリソースは?」等々からMBSEを使ったソリューションアプローチが適切かどうかを評価し、適切と判断したらグランドデザインのご提案をいたします。
ここが違う!
MBSEの理論を踏まえつつ、日本の製造業の事情を反映し、実際の課題に対処できる様に考案した「サイバネットメソッド」をベースにし、お客様の課題に適したモデル体系・構造を定義します。
様々なMBSE適用プロジェクトを通じて、サイバネットメソッドは更に日々進化を遂げています。
STEP-1 & 2 「PoC およびパイロットによる適用検証」
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STEP-0で検討したグランドデザインに従って、次のステップとして「PoC」ならびに「パイロット」によるMBSEを使った課題解決の適用検証フェーズに移ります。
ここが違う!
MBSE手法を使った課題解決に欠かせないのがSysMLモデリングツール。サイバネットMBSEではSysMLモデリングツールのデファクトスタンダートになっているダッソー・システムズ社製「CATIA Magic/No Magic」の代理店としてツールの提供・サポートを行います。
SysMLモデリングツールの導入支援のための「トレーニングカリキュラム」も用意しており、具体的な題材を使ってモデリングの考え方およびツール操作方法を学ぶことができます。
更にお客様と一緒になってモデルを作成する「SysMLモデル構築」のエンジニアリングサービスのご提供も可能です。
また、記述モデルと計算モデルをいかに連携させるかという応用的な課題に対しては、お客様の環境に合わせたソリューションを提案させていただきます。
自社開発した感度モデル化・展開ツール「MapleDOE」を使って、過去の実験結果やシミュレーション結果などを元にした感度モデルを構築し、背反検討やパラメータサーベイを簡便に行うことができます。
STEP-3 「標準化・システム化への展開・定着」
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PoCやパイロットのプロジェクトでMBSEを使ったソリューションの適用検証が完了すれば、次にSysMLモデルで検討したパラメータセットを実務設計レベルでいかに活用していくかが課題となります。
ここが違う!
SysMLモデルを構築しても全社に展開するにはSysMLモデリング習得コストやSysMLモデリングツールのコストの問題が大きく立ちはだかります。この問題を解決するのが自社開発したスプレッドシートによるMBSEプラットフォーム「MapleMBSE」です。
「MapleMBSE」を使えば、モデルアーキテクトが作成したSysMLモデルを、モデル利用者である実務開発者・設計者はSysMLモデリングツールを使うことなく、使い慣れたExcelスプレッドシート上で参照、編集することができます。
サイバネットMBSEなら「何故MBSEを実務展開できるのか?」がお分かりいただけたでしょうか?
個々のサービス・ソフトウェアの詳細については下記のボタンから製品紹介ページをご覧下さい。